都会に逃げ出してきて何週間たっただろう

ここ最近は、ギターを見るととてつもなく弾きたくなる。でもギターを握ると彼女との楽しかった思い出が蘇ってきて止まる。

弾きたいのに、思い出が辛く、苦しい

そんなある日、彼女の住んでいる街で知り合った人から突然連絡が来た。
彼女が病気だという知らせだった。

小さい頃からその病気を抱えていて、それは手術をしないと徐々に体を蝕み、何もしなければ爆弾のようにいつどうなってしまうかわからなくなるらしい。なかなかタイミングがなかった彼女はつい先日倒れてしまい、手術を受けることになったという連絡だった。

僕はふと、今までの彼女の事が走馬灯の様に出てきた。

歌ってるときに息が上がりやすくて困ってるんだと言っていたこと。手を繋いだ時に手が冷たくて、季節が夏だったから気持ちいいねと話したこと。

そして…僕と一緒にいることはできないと言ったこと。

ストン、と僕の中に何か綺麗に落ちてきた様だった。

あぁ、そっか。全て辻褄が合った…

彼女から逃げるように街を出てきた僕に、今から何ができるといいうんだろうか。それに、彼女からはあれから何も連絡が来ていない。

つまり、彼女が僕と会うことを望んでいない、ということだと思う。

彼女に会いにいく理由が見つけられないような僕は、この気持ちも含めてどうしたらいのか分からなくなってしまった。


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この小説は銀じゃけ様によって書かれました。